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オゾンラボ

FILE
133

沖縄大宜味村でのシークワーサー無農薬栽培におけるオゾン活用

◆ 課題

当社のホームページのお知らせにも掲載したが、沖縄大宜味村におけるシークワーサーの無農薬栽培において、害虫対策が大きな課題となっている状況に対し、オゾンによる対策の可能性を研究する。
FILE035で報告したとおり、オゾン水を農薬の代替えとして害虫を殺虫することは困難である。ただし、害虫を遠ざける効果や分泌ホルモンを分解できる可能性は高い。その結果として、害虫を少なくすることで作物に対する害を少なくする効果は期待できると考える。
また、たとえ害虫であっても、駆除すれば地域の生態系に悪影響を与える可能性も否定できないため、少なくすることにより作物の栽培効果をアップすることが好ましいとする考えもある。

◆ 実験方法

農園での利用を考慮し、電源環境やコスト面からオゾン水の生成方式はエジェクタによる気液混合が適していると判断する。ただし、果樹にオゾン水を噴霧するために霧状にしなければならないため、エジェクタの背圧が高くなり気液混合が困難になるという課題がある。
加えて、オゾン水を霧状に噴霧する場合には水中に残留するオゾンが揮発しやすくなる。
上記課題に対して下記の実験により基本性能を評価し、対策を検討する。

 ・オゾン水を果樹に噴霧する場合の気液混合状態とオゾン水濃度および散布状況を評価する。
 ・オゾン水の噴霧方法として、シャワーと霧状および少し大きな水滴の拡散方式で実施する。

実験装置

オゾン水噴霧状態

 

◆ 実験結果

エジェクタ:タイプA + 2次側ブースターポンプ利用

ノズル設定 残留オゾン水濃度 オゾン水流量 オゾンガス供給
シャワー×2 0.3 ~ 0.4 ppm 10L/min 0.02 Mpa・0.5 L/min
拡散×2 0.55 ~ 0.7 ppm 7L/min 0.05 Mpa・0.2 L/min
霧×1+拡散×2 0.35 ~ 0.55 ppm 8L/min 0.03 Mpa・0.5 L/min

エジェクタ:タイプB + 2次側ブースターポンプなし

ノズル設定 残留オゾン水濃度 オゾン水流量 オゾンガス供給
霧×1+拡散×2 2.0 ~ 2.5 ppm 6L/min 0.04 Mpa・0.4 L/min
霧×3 2.0 ~ 2.5 ppm 5L/min 0.07 Mpa・0.2 L/min

◆ 結論

全てのオゾン水噴霧方式について、エジェクタにかかる背圧と一次側の水圧を考慮したエジェクタ選定により、オゾン水を生成しオゾン水の状態で果樹への散布を達成した。 加えて、噴霧ノズルでオゾン水に圧力がかかった状態において、当初想定していたよりも水中にオゾンが高濃度で残留することを確認した。

◆ 考察

農薬散布と同様の霧状で高濃度なオゾン水噴霧が可能となったことにより、果樹全体にオゾン水を供給・接触させることができるため、害虫減少の期待ができると考える。 次のステップとして、朝夕2回×各15分間のオゾン水噴霧により害虫が減少するかどうかの調査を実施する。
実験前の想定では、シャワー状態でのオゾン水噴霧がエジェクタ方式でのオゾン水生成およびオゾン水濃度確保の点で最適と考えていたが、 実験の結果では果樹全体にオゾン水を供給・接触させるために多くのオゾン水散布が必要となり、果樹の根元が水浸しになってしまい、かつ無駄に多くの水を使用するという問題が判明した。

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