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用語集

悪臭防止法

工場その他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行い、悪臭防止対策を推進することにより、国民の健康の保護に資することを目的とした法律。昭和46年に制定。

アセトアルデヒド

CH3CHO、分子量44.05、沸点21℃、融点(ゆうてん)-123.5℃、比重0.784、刺激的な青臭いにおいをもつ。検知閾値(けんちいきち)は0.0015pmとされている。 特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.05~0.5ppm。主な発生源は化学工場、たばこ製造工場や加熱工程をもつ工場など。

アロマ(芳香)

周囲に広がり嗅覚のみでなく味覚をもそそる好ましい香りのこと。ワインやコーヒー、ハーブ、タバコなどの香りに対してこの語が用いられる。

アンモニア

NH3、分子量17.03、沸点-33.4℃、融点(ゆうてん)-77.7℃。刺激性のある気体で、検知閾値(けんちいきち)は0.15ppmとされている。特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は1~5ppm。主な発生源として畜産事業場(ちくさんじぎょうじょう)、化製場(かせいじょう)、し尿処理場(にょうしょりじょう)など。

閾値(いきち)

閾値(いきち)には検地閾値(けんちいきち)「絶対閾値『ぜったいいきち』」、認知閾値(にんちいきち)、弁別閾値(べんべついきち)がある。
検地閾値(けんちいきち)…何のにおいか分からなくても、何かにおいを感知出来る最少濃度
認知閾値(にんちいきち)…何のにおいか感知できる最少濃度
弁別閾値(べんべついきち)…においの強度について感覚的に区別できる最少濃度
6段階臭気強度表示では検知閾値(けんちいきち)は1に、認知閾値(にんちいきち)は2に相当するとされている。
三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)では採取したにおいの検知閾値(けんちいきち)を求め、そこまでの希釈倍数(きしゃくばいすう)を臭気濃度とし、また対数値を臭気指数としている。

イソ吉草酸(きっそうさん)

比重0.928~0.931(20℃),沸点176.5℃、引火点70℃、強い酸臭、チーズ臭ないしは古靴下のにおいを有する無色の液体。水に4%程、アルコールや油類にはよく溶ける。 認知閾値(にんちいきち)は0.000078ppm(気中)、液中検知閾値(えきちゅうけんちいきち)は10-6.0(w/w)、敷地境界線の規制基準の範囲は0.001~0.01ppmとなっている。 食品香料の成分としてナッツ、コーヒーおよびチーズ等のフレーバーに用いられる。 人体の汗や体臭の一成分でもある。嗅覚測定用のT&Tオルファクトメーターの基準臭の一つ。

イソブタノール

(CH3)2CHCH2OH、分子量74.12、沸点108℃、融点(ゆうてん)-108℃、比重0.802、刺激的な発酵したにおい。検知閾値(けんちいきち)は0.012ppmとされている。 特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.9~20ppm。香料製造原料、溶剤として用いられる。

ウェーバー・フェヒナーの法則

感覚の大きさが刺激強度の対数に比例する法則のことをいうが、正しくはフェヒナーの法則と呼ぶ。ウェーバーの法則は相対弁別閾(そうたいべんべついき)がほぼ一定になるという実験法則で、フェヒナーは、感覚の大きさは弁別閾(べんべついき)をもとの構成できると仮定し、ウェーバーの法則を利用して上記の対数法則を導いた。

OER(おーいーあーる)

臭気排出強度。煙突や排出口等から排出される臭気の臭気濃度に排ガス量(m3N/分)を乗じて求められる。 すなわちOER(おーいーあーる)は、清浄空気ににおいを付け得る臭気の排出量を m3N/分の単位で表したものであり、個々の臭気発生源の汚染強度を示す指標となる。 OER(おーいーあーる)の値をもとに、各排出源の臭気汚染に対する影響力の相対的な比較や影響範囲の予測などが概括的(がいかつてき)ではあるが可能となる。また、OER(おーいーあーる)は大気拡散式に基づく予測手法にも用いられており、臭気対策を行う際に必要な概念と言える。

オゾン酸化法

強力な酸化剤であるオゾンにより臭気成分を酸化分解したり、オゾンによるマスキング効果などを利用した脱臭方法である。 特に硫黄化合物に効果があるが、高濃度臭気の場合は他の方法で前処理する方が経済的な場合もある。一般的に気相中での臭気成分とオゾンの反応速度が極めて緩慢であることや、オゾンの注入量の調節方法の難点などもあるが、オゾンと活性炭、オゾンと次亜塩素酸(じあえんそさん)ソーダ等の組合せにより種々工夫をした脱臭装置が開発されている。 原料が空気または酸素であり、運転費が他の脱臭方式と比較して安価であるという特徴がある。

快・不快度表示法(かいふかいどひょうじほう)

種々(くさぐさ)のにおいに対する快・不快の程度を測定する方法の一つで、臭気公害の分野では9段階快・不快度表示法(かい・ふかいどひょうじほう)、7段階快・不快度表示法(かい・ふかいどひょうじほう)、5段階快・不快度表示法等(かい・ふかいどひょうじほう)が用いられている。これらの方法はにおいの快・不快を直接表示するため、信憑性の点から補助的データとして用いられているにすぎない。また、においの快・不快度は個人差が大きいため、少数のパネルで信頼できる結果を得るのが難しい。 そこで、においの質と強度から間接的に快・不快度値を推定する方法も提案されている。この方法はにおいプロフィール加算法と呼ばれ、少数のパネルによる個人差による影響をある程度消去することもできる。

ガスクロマトグラフ/質量分析計

混合試料の分離に有効なガスクロマトグラフ(GC)と物質同定に威力を発揮する質量分析計(MS)とを結合した分析装置である。GCで分離された成分を順次イオン化し、生成した各イオンの質量を二次電子増倍管で検出するものである。装置はコンピュータシステムで制御・解析が行われ、マスクロマトグラフィ(MC)、選択イオン検出法(SIM)、ライブラリー検索、ミリマス測定などにより、物質の定性および極微量分析(ごくびりょうぶんせき)を可能にしている。イオン化法としては、電子衝撃法、化学イオン化法などが用いられ、質量分析計には磁場型(単収束、二重収束)、四重極型(しじゅうきょくがた)などがある。

活性酸素

酸化剤や酸化触媒の作用で生成する酸素ラジカルで、酸化分解反応に関与する。オゾンなどの酸化剤を利用した急激な分解反応だけでなく、特殊金属の化合物(酸化チタンなど)や金属を含むセラミックス等の表面における緩慢な分解反応も各種の用途にりようされている。

活性炭

活性炭はカーボンブラックと同様無定形炭素に属す。特性は、非常に発達した多孔質構造(たこうしつこうぞう)を有していることで、500~2,000m2/gの比表面積を有し他の吸着剤に見られない優れた吸着性能示す。高温、減圧などの条件で脱着し、被吸着物(ひきゅうちゃくぶつ)の濃縮、改修を可能にしている。極性の大きい低分子は吸着量が少なく、極性の小さい分子量の比較的大きい成分をよく吸着をする。原料は、植物質のヤシ穀(がら)、鋸屑(のこくず)、鉱物質の石炭、石油系、その他に産業廃棄物等が用いられている。とくにヤシ穀(がら)は供給量も多く、性能の良い活性炭の原料となっている。製造法は、賦活法(ふかつほう)により、薬品賦活法(やくひんふかつほう)とガス賦活法(ふかつほう)に分けられるが、750~1,000℃で水蒸気賦活(すいじょうきふかつ)する場合が多い。形状により、粉末活性炭、粒状活性炭(りゅうじょうかっせいたん)に分けられ、さらに粒状活性炭(りゅうじょうかっせいたん)は破砕炭(はさいたん)と成型炭に分類される。

カビ臭

閉鎖性水域での富栄養化(ふえいようか)に伴う藻類の異常繁殖に起因して生成される2-メチルイソボルネオールやジオスミンに代表されるにおいで、上水道で問題になっている臭い水の原因臭気である。これらの物質は、構造的にはモノテルペン。セスキテルペン類であり、モノテルペン類の代表的な物質であるカンファー「樟脳臭」(しょうのうしゅう)にも類似したにおいでもある。質的イメージとして「土臭」「泥臭い」と表現される場合もある。

換気回数

全体換気法において、室内またはカバー内の作業環境を臭気、有害ガス、熱気などから安全に保つため室内空気を排気し、外気と入れ換える必要がある。この入れ換えの頻度(回/時)を換気回数という。必要換気量は次式により求められる。
必要換気量(m3/min)=室またはカバー内の総容積(m3)×換気回数/60

換気方法

発生源付近を集中的に吸引、排気する局所排気法に対して、室内などの全空気を入れ替える方法を全体換気法といい、その換気方法にいくつかの種類がある。室内空気を送風機と排風機を用いて換気する方法を第一種換気、送風機のみ用いて自然排気により換気する方法を第二種換気、排風機のみ用いて自然給気により換気する方法を第三種換気という。

環境基本法

平成5年 法律第132号。本法は、昭和42年に制定された「公害対策基本法」を発展的に継承した環境の保全についての基本法であり、環境の保全に関する基本理念、国、地方公共団体、事業者、国民のそれぞれが果たすべき責務や環境の保全に関する基本的施策などについて規定している。悪臭は、大気汚染、水質汚濁(すいしつおだく)、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下と並ぶ公害の一つとされており、公害防止計画の策定など公害の防止に必要な措置を講ずる責務が規定されている。平成7年には、この法律の理念を踏まえて悪臭防止法が改正された。

基準臭

日本の耳鼻咽喉科学会の嗅覚検査委員会で、嗅覚テスト用に定めた次の10臭で、T&Tオルファクトメーターではそのなかの最初の5臭を用いている:1.β-phenylethyl alcohol 2.methyl cyclopentenolone 3. isovalericacid 4.γ-undecalactone 5.skatole 6.cyclopentadecanolide 7.phenol 8.dl-camphor 9.diallyl sulfide 10.acetic acid
5臭の中、3臭テストのときは、1,2,3。4臭テストのときは、1,2,3,4を用いる。このほかに参考臭としてn-Propyl mercaptane(アリナミンを静脈内に注射したとき、体内で変化してこれになるという)、アリナミン注射液(武田薬品)そのほかを用いることもある。

規制基準

規制地域内に設置される工場その他の事業場が守らなければならない特定悪臭物質濃度および臭気指数の許容限度。
規制基準を超えて悪臭原因物を排出することにより、その不快なにおいにより住民の生活環境が損なわれた場合には、都道府県知事は当該事業場に対し改善のための措置を勧告、命令することができる。
悪臭防止法では、敷地境界線、気体排出口および排出水の3種類の規制基準が定められている。
また、特定悪臭物質の規制基準では生活環境の保全が十分でないと認められる地域があるときは特定悪臭物質の規制に代えて、臭気指数の許容限度を定めることとしている。これらのうち、敷地境界線における規制基準は、総理府令(悪臭防止法施行規則)で定める濃度範囲内で定めることとしており、都道府県知事は当該規制地域の自然的、社会的条件を考慮して特定悪臭物質の種類ごとに定めることとされている。
気体排出出口および排出水の規制基準は、それらから排出された特定悪臭物質が事業場の敷地境界線から遠く離れた地点での悪臭の原因となることのないように、「敷地境界線における規制基準」をもとに総理府令で定める方法により、流量または排出気体中の濃度(排出水中の濃度)として定めることとしている。
臭気指数の規制基準も、特定悪臭物質の濃度による規制制度と同様、敷地境界線、気体排出口および排出水の3種類の規制基準を定めることとされているが、改正悪臭防止法の施行(平成8年4月)に基づき、現在、敷地境界線、気体排出口における規制基準が定められている。

規制地域

悪臭原因物の排出規制の対象となる地域。悪臭防止法に基づく悪臭原因物の排出規制は、都道府県知事が規制地域として市区町村長の意見を聞いて指定した地域内の工場その他の事業場における事業活動に伴って排出される悪臭原因物について行われる。

嗅覚閾値(きゅうかくいきち)

嗅覚閾値(きゅうかくいきち)には検知閾値(けんちいきち)『絶対閾値「ぜったいいきち」ともいう』、認知閾値(にんちいきち)、弁別閾値(べんべついきち)がある。検知閾値(けんちいきち)は何のにおいかわからなくても何かにおいを感知できる最少濃度、認知閾値(にんちいきち)は何のにおいか感知できる最少濃度、弁別閾値(べんべついきち)は主ににおいの強度について感覚的に区別できる最少濃度である。6段階臭気強度表示には検知閾値(けんちいきち)は1に、認知閾値(にんちいきち)は2に相当するとされている。三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)では採集したにおいの検知閾値(けんちいきち)を求め、そこまでの希釈倍数を臭気濃度とし、臭気の規制基準に用いている。 耳鼻咽喉科では域値(いきち)と表現する。

嗅覚測定法

広義には嗅覚の閾値(いきち)、強度、質、快・不快度等を測定する方法をいう。検知閾(けんちいき)の測定には3点比較法、極限法、恒常法、5点比較法(5-2法)等が、認知閾(にんちいき)の測定には、あらかじめ準備したにおいの質の記述語の中から選んでもらう方法が、弁別閾(べんべついき)の測定では基準刺激と比較させ強い方を選ばせる方法等を用いる。強度の測定では、 0~5までの評定尺度、マグニチュード推定法などがある。においの質を測定する方法には、においの記述語を並べて選ばせる方法、自由連想法等が、快・不快度の測定には、通常、7段階か9段階の評定法が用いられるが、においの質と強度を考慮した「においプロフィール加算法」も提案されている。 狭義には、従来、嗅覚の官能試験法あるいは三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)と呼ばれ、地方公共団体の条例や指導要網(しどうようもう)、環境庁の昭和56年度官能試験法調査報告書(環境庁大気保全局特殊公害課長通知)などで採用されていた方法を、平成7年に悪臭防止法の改正による悪臭の測定方法の一つとしての採用に伴い嗅覚測定法と改称したものをいう。

嗅覚疲労

ある程度以上の強さのにおいを嗅ぎ続けると3分以内に一過性に嗅覚が働かなくなる。俗に「鼻がばかになる」という状態をいう。嗅覚は疲労現象の起こりやすい特徴をもった感覚である。 心理学の分野では1回の持続的刺激に対する感覚強度の低下は順応であるが、何回もこれを繰り返すと刺激閾(しげきいき)・検知閾(けんちいき)が上昇する。これが嗅覚疲労であり、感覚を休ませる(新鮮な空気に、相当時間曝す)と、元の閾値(いきち)に感度が回復する。

9段階快・不快度表示法

においの快・不快の程度を表示するために用いられる方法で、環境庁委託による悪臭規制基準設定に関する調査(日本環境衛生センター、昭和46年度)の官能試験班で取り決められた。
表に示されるように快でも不快でもないにおいを中間点にして、不快方向4段階、快方向4段階の9段階から成る。各段階は等間隔とみなされ、-4~+4の評点が与えられる。
この表示法の変形として7段階快・不快度表示法(評点は-3~+1)などがある。この表示法は臭気公害の分野では、個人差や信憑性の点で補助的データとして用いられているが、実験室における繰り返し評価では個人内の変動は小さい。

検知閾(値)(けんちいき)

においの濃度を、0から少しずつ高めてゆくと、やがて何のにおいか分からないが、何かにおいがあると感じるようになる。この最少濃度を検知閾値(けんちいきち)という。

5-2法(ご-にほう)

官能検査法の一つ。M個のAとn個のBを盲試料としてランダムに呈示し、A,B2群にふりわけさせる試験法をふりわけ試験法という。 そしM=2、n=3の場合に、とくに5-2法あるいは5分の2テストという。5-2法において、AとBが識別できないにもかかわらず偶然に正解になる確率pは10%であり、 2点比較法(p=1/2)、3点比較法(p=1/3)と比べると小さい。原香の研究者として有名なE.Amooreは、嗅覚閾値(きゅうかくいきち)の測定に5-2法を利用しており、またわが国でも、基準臭による嗅覚パネル選定試験や臭気指数の測定(宮城県公害防止条例)に本法が利用されている。

こげ臭

煙草やコーヒー、焼きパンのにおいやゴム焼臭に対して、イメージされ、ピリジン、フェノール、グアヤコールなどがこの種のにおいの代表とされる。燃焼過程で発生するアルデヒド類なども焦げ臭物質とされる。
ZwaademakerやHenningなどによって基本的なにおいとして分類されている。メチルシクロペンテノロンは、T&Tオルファクトメーター法の基準臭の一つで、カラメル様の香気をもち、人間が本能的に敏感なこげ臭に属する。

酢酸(さくさん)

CH3COOH、強い刺激的なにおいと酸味を有する透明な液体。食品添加物公定書で酢酸(さくさん)という場合は純度29~30%のものをいい、純度99%以上のものは凝固点14.5℃以上あり、冬季には固化するので氷酢酸(ひょうさくさん)と呼ばれる。認知閾値(にんちいきち)は0.006ppm(気中)。食用や医薬にそのまま用いられるほか、繊維工業、合成樹脂工業などの工業分野で広く用いられている。現在市販されていないが、T&Tオルファクトメーターの精密検査用の基準臭の一つ。JIS、日本薬局方、食品添加物公定書に企画が定められている。

酸臭

ギ酸や酢酸(さくさん)などの酸性物質の「すっぱい」におい。三叉神経性(さんさしんけいせい)の強い刺激性を伴う臭気である。

三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)

嗅覚測定法における臭気濃度の測定法の一つである。ASTM注射器法の欠点を改良する目的で昭和47年に東京都公害研究所により発表された。 測定される臭気は容積3lのポリエステル製バッグ(におい袋)の中で一定の希釈倍数に希釈される。 パネルはその希釈された試料を嗅ぎ、においの有無を判定する。この際3点比較法を採用している。 排出口における測定では、パネルの回答が正解のとき、さらに希釈倍数を上げ、下降法により実施する。パネルの人数が6名以上で実施される。 この方法は平成7年4月悪臭防止法の改正により、同法の中に取り入れられた。また、東京都、埼玉県等40程度の地方自治体の悪臭規制ないしは指導要網(しどうようもう)に採用されている。

3点比較法

官能検査法の一つ。2種の試料AとBを識別するのに、どちらか一方を2個(偶数試料)、他方を1個(奇数試料または半端試料)の計3個を1組としてパネルに呈示し、どれが異なる1個であるか、またはどの2個が同じであるか当てさせる。 n回の繰り返しで得られた正解数から2種の試料間に差があるか、またパネルにその差を識別する能力があるかなどを判定する。 P=1/3の2項分布を用い、片側検定する。2点識別法は、A、B間の差が既知である場合にしか適用できないが、3点比較法は、A、B間の差が不明であっても適用できる。 臭気指数の判定に用いられている三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)は、本法を採用している。

敷地境界線における規制基準

悪臭防止法第4条第1項第1号および同条第2項第1項に定める悪臭を工場その他事業場の敷地から外には出さないという観点から設けられた規制基準で、気体排出口および排出水の規制基準の基礎となるもの。都道府県知事が総理府令(悪臭防止法施行規則)で定める特定悪臭物質濃度範囲または臭気指数の範囲内で、当該規制地域の自然的、社会的条件を考慮して定める。なお、本基準を「第1号の規制基準」と呼ぶことがある。

刺激臭

鼻にツーンとくるような三叉神経(さんさしんけい)に対する刺激性臭気。アンモニアやギ酸、酢酸(さくさん)などの低分子の酸性およびアルカリ性物質やアセトアルデヒド、アクロレイン、塩素、臭素、フッ化水素などの極性の高い物質に刺激臭をもつものが多い。Amooreは、刺激臭を原香として挙げている。

臭気

においに関連する多くの言葉の中で「臭気」と「におい」はほぼ同じ意味に使われる言葉もあるが「におい」は「悪臭」や「香気」などすべてを含む総称で、「香気」は好まれないにおいを表し、英訳ではmalodorとかbad smellとすることもある。また「におい」は嗅覚と直接関連した表現の場合に用い、「臭気」は主に、においの物質に関連した表現、例えば臭気の除去、臭気対策、臭気の影響のように用いられる。

臭気官能試験法

におい・悪臭の評価方法
「臭気強度」は6段階の強度区分=臭気強度表示法
「快不快度」は9段階のレベル区分=快不快度表示法
「臭気濃度」は無臭の空気で希釈し、においを感じられなくなった希釈倍数=三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)

臭気強度表示法

嗅覚測定法により臭気を数量化する一つの尺度である。臭気強度表示法は、においの強さ(odor intensity)に着目した尺度であり、具体的には4段階、5段階ないしは6段階等の臭気強度尺度が使われる。このうち日本では昭和46年の悪臭防止法の制定時より、6段階臭気強度表示法が広く使われてきた。臭気強度の測定に要する時間は数分以内で済み、臭気濃度表示法に比べ、非表示短いという利点がある。
6段階臭気強度表示法は比較的低濃度の臭気の測定にも適しており、環境における測定には広く使われている。この表示法の変形に、高濃度の臭気の測定により向いている。
6段階強度表示(0:感じない 1:かすかに感じる 2:やや強く感じる 3:強く感じる 4:非常に強く感じる 5:極端に強く感じる)も提案されている

臭気指数

臭気濃度に対し以下のように変換した尺度が臭気指数である。
臭気指数=10×log(臭気濃度)
この臭気指数は当初この尺度が提案された時に用いられたオーダー値と同じである。臭気指数が臭気濃度より優れている点は、人間の嗅覚の感覚量に対応した尺度になっていることである。また臭気指数尺度は騒音におけるホン尺度と非常に類似性が高い。悪臭防止法では平成7年の改正で嗅覚測定法が導入され、臭気指数が規制基準に用いられている。

臭気指数規制

悪臭防止法に基づく排出規制手法の一つ。悪臭防止法の改正(平成8年4月施行)により制度化されたもので、人の嗅覚を用いて算出される「臭気指数」を指標として工場その他の事業場から排出される悪臭原因物の規制を行う制度。特定悪臭物質の濃度による規制基準によっては、生活環境を保全することが十分でないと認められる区域は、特定悪臭物質濃度の規制基準に代えて臭気指数の規制基準を定めることができる。なお、同一の規制区域には特定悪臭物質規制または臭気指数規制のいずれか一方が適用される。

臭気測定法

臭気をある評価尺度に基づいて数量化する方法である。大きくは人間の嗅覚により測定する嗅覚測定法とにおいを構成する科学物質の濃度に着目した機器測定法(成分濃度表示法)とに分けられる。嗅覚測定法の中には快・不快度表示法、においの強度に着目した臭気強度表示法、臭気の広範性に着目した臭気濃度表示法、さらににおいの質に関係した各種の測定法がある。
これに対し、機器測定法にはアンモニア、硫化水素などの単一成分の濃度により評価する方法、および総還元性硫黄(TRS)、全炭化水素(THC)など、グループの濃度として評価する方法などがある。また、さらに多くの成分に感度のあるにおいセンサーも開発されている。

臭気濃度

官能試験法による臭気の数量化の方法の一つである。その臭気を無臭の清浄な空気で希釈した時、丁度におわなくなった時の希釈倍数を臭気濃度という。 すなわち、臭気濃度1000の臭気とは、丁度1000倍に無臭空気で希釈した時に、初めてにおいが消えるような臭気のことである。臭気強度表示法、快・不快度表示法がにおいのくささの程度を判定するのに対し、この臭気濃度表示法はにおい有無を判定するため、比較的個人の変動が少ないといわれている。臭気濃度の主な測定法としては三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)、セントメーター法、ASTM注射器法などがある。また、臭気濃度を対数変換した臭気指数表示も広く使われている。悪臭防止法では、環境庁告示(平成7年9月、第63号)に基づく臭気指数の算定の方法で運用している。臭気指数=10×log(臭気濃度)。

臭気判定士

改正悪臭防止法(平成8年4月施行)による臭気指数規制の導入に伴い、新たに創設された国家資格であり、悪臭防止法基づく市町村の事務である臭気指数の測定について、市町村からの委託による測定業務を担当する者で、臭気指数の算定の方法(平成7年環境庁告示第63号)に基づき、自ら正常な嗅覚を有して測定の対象とする試料の採取や希釈・調整、パネルの管理、判定試験の実施、結果の算出等の一連の測定業務に従事する者として、環境庁長官が発行する臭気判定士免状の交付を受けている者である。

精油

天然香料植物の花、蕾(つぼみ)、枝葉、幹、種子、根茎、樹脂などの各部位より、主として水蒸気蒸留によって採油した揮発性の液体をいう。また熱に不安定なオレンジやレモンなどの柑橘系(かんきつけい)の場合は果皮を圧搾(あっさく)して油を得ているが、これも精油と呼ばれている。西洋はっか油、バラ油、レモン油などがその代表的なものであるが、 天然精油と呼ばれている場合もある。

洗浄法

ガスを洗浄液と気液接触させ、臭気成分を洗浄液中に吸収して脱臭する方法である。 洗浄法は、単独で、または他の脱臭方法との組み合わせにより、広範囲に利用されている脱臭法である。水による脱臭は水溶性の臭気成分を水に溶解、物理的に吸収させる方法である。水洗浄によりガス冷却や集塵効果を期待できる場合もあり、脱臭の前処理として利用されることが多い。 中和剤による脱臭は臭気成分がアルカリ性の場合は硫酸や塩酸の水溶液で中和し、酸性の場合は、カセイソーダなどのアルカリ水溶液で中和し、いずれも塩類として洗浄液中に固定する方法である。酸化剤による場合は洗浄液中に含まれる酸素や塩素と臭気成分の酸化反応により、無臭物質または嗅覚閾値(きゅうかくいきち)の大きい物質となり、洗浄液中に固定される。その他還元剤や化学反応型脱臭剤を用いる場合もある。

大気汚染防止法

昭和43年 法律第97号。本法は昭和37年に制定された「ばい煙の排出の規制等に関する法律」を全面的に改正して制定された法律で、工場・事業場における事業活動並びに建築物の解体等に伴いばい煙(硫黄酸化物、ばいじん、窒素酸化物などの有害物質)並びに粉じんの排出等を規制し、有害大気汚染物質対策の実施を推進し、さらに自動車排出ガスの許容限度を定めることなどにより国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することなどを目的としている。なお、平成8年5月の法改正により、制度化された有害大気汚染物質対策として、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンおよびポリ塩化ジベンゾフラン等(いわゆるダイオキシン類)に係る指定物質排出施設と指定物質抑制基準が設定されている。

脱臭

臭気を相対的に感知しないようにすること。それには、臭気を希釈、拡散したり、凝縮させたり、臭気を物理的にまたは化学的に吸収、洗浄する方法、臭気を吸着する方法、臭気を酸化分解するために燃焼する方法や還元分解、微生物により臭気物質の酸化分解などの方法がある。
これらの方法を適用する前に、臭気を発生させないようにすることが第一であり、次に脱臭技術にあわせた臭気の捕臭も大切である。

脱臭効率

脱臭装置の効果判定に用いる脱臭効率の表示方法は、脱臭装置の入口と出口の臭気濃度または臭気指数によるべきである。場合によっては、脱臭装置出口の臭気指数のみでもよい。
現場では、よく脱臭装置入口に、出口の主な成分濃度、たとえばアンモニアや硫化水素などの濃度(ppmなど)の除去率で脱臭効率を表示するケースも多いが、これは成分除去率であって脱臭効率ではない。

脱臭装置

主な脱臭技術を利用して、装置としてまとめた脱臭装置で大切なことは、フード、ダクトを含めた運転管理と保守点検整備で、正常な脱臭機能を発揮させるためにも重要である。現在よく使われている脱臭装置は次のものがある。①直接燃焼装置②蓄熱式燃焼装置③触媒式脱臭装置④薬液洗浄脱臭装置⑤吸着脱臭装置(回収装置、濃縮装置、交換式吸着装置)⑥生物脱臭装置(土壌脱臭装置、腐植質脱臭装置(ふしょくしつだっしゅうそうち)、充塡式脱臭装置(じゅうてんしきだっしゅうそうち)、スクラバー式脱臭装置、ばっ気式脱臭装置)がある。このほかに最近は、消・脱臭剤による脱臭装置も使われるようになった。噴霧法(ふんむほう)、中和法、散布法などが主なものである。

タバコ臭

オフィス、住宅の居間では、不快なにおいの代表例として挙げられる。とくにオフィスでは、体臭とともに空気質に影響する要素である。タバコ煙の主成分として、一酸化炭素、ニコチン、ジメチルニトロアミン、アクロレイン、アルデヒド類、窒素化合物、フェノール、ナフタレン、シアン化水素化合物、アンモニアなどが報告されており、においに影響する主な成分としては、低級脂肪酸類、低級アルデヒド類が報告されている。室内空気環境のタバコ臭を評価する場合には、一酸化炭素と粉塵(ふんじん)が指標としてよく用いられる。臭気対策としては、電気集じん方式ではガス状物質が通過するため効果がなく、活性炭フィルターやオゾンなどが利用されている。

たまねぎ臭

メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルなどの硫黄化合物系の悪臭の質的イメージによく用いられる。

蓄熱式燃焼法

蓄熱材を用いて直接的な熱交換法により、熱回収率を90%以上に高め燃焼消費量を大幅に低減し得る経済的な燃焼装置として開発されたもので、省エネルギー効果が大きいばかりではなく、Nox低減などにも大きく寄与する特徴をもっている。

直接燃焼法

もっとも古い歴史をもつ確立された脱臭方式で、一定以上の高温で酸化分解が可能な物質であれば、ほとんどの臭気おようび有機溶剤ガスに対応出来る用途の広い方式である。
脱臭原理は、燃焼に必要な酸素と共存状態にあると時、臭気成分の発火点以上に処理温度を保持し、同時に一定以上の滞留時間を取ってやれば臭気成分を瞬時に酸化分解し、可燃性物質が炭化水素の場合は無害・無臭の炭酸ガスや水に分解される。もっとも古い歴史をもつ確立された脱臭方式で、一定以上の高温で酸化分解が可能な物質であれば、ほとんどの臭気おようび有機溶剤ガスに対応出来る用途の広い方式である。

低級アルデヒド

特定悪臭22物質の中で平成5年に指定されたプロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒドおよび昭和51年に指定されたアセトアルデヒドをいう、その他ホルムアルデヒドも含まれる。

動物臭

「じゃ香」、獣のにおいなどの動物性のにおいを表す。なかでも、動物の生殖腺などからの分泌から発する「じゃ香(musk)」の代表物質である大環状ラクトン類やスカンクなどの獣特有の糞臭の原因物質であるインドール、スカトールは、天然香料として欠くことができない物質で、性的に成熟した夫人が好む。またスカトールは糞臭や口臭のようなにおいとして、T&Tオルファクトメーター法の基準臭となっている。

特定悪臭物質

悪臭防止法にいう特定悪臭物質とは「不快なにおいの原因となり、生活環境を損なうおそれのある物質であって政令で定めるものをいう」とされている。 悪臭の原因となる物質は数多くあり、また複数の物質が複合した状態で発生することが多い。現在では、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、ニ硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸(さくさん)エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸(らくさん)、ノルマル吉草酸(きっそうさん)、イソ吉草酸(きっそうさん)の22物質が指定されている。

特定悪臭物質の測定方法

昭和47年 環境庁告示第9号。特定悪臭物質の特定は、悪臭原因物の排出について、機器を用いて特定悪臭物質の濃度を測定するもので、特定悪臭物質の規制地域において悪臭防止法第4第1項の特定悪臭物質の規制基準適用する場合に必要となる。現在、各特定悪臭物質ごとに、法第4条第1項各号の規制基準と対応して、敷地境界線における濃度(22物質)、気体排出口における流量(13物質)、排出水中における濃度(4物質)について測定方法が定められている。

トリメチルアミン

(CH3)3N、分子量59.11、沸点3℃、融点(ゆうてん)-124℃、比重0.662。腐った魚のようなにおいで、刺激性がある、検知閾値(けんちいきち)は0.00011ppmとされている。特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.005~0.07ppmである。主な発生源として、魚腸骨処理場(ぎょちょうこつしょりじょう)、水産加工場、畜産事業場などがある。

においセンサー

大気中の臭気を検知して測定するためのガスセンサー。簡便かつ連続的に臭気を測定し、数値化できることからその必要性は高い。これまでに液晶、有機化学物質、生体物質、脂質膜(ししつまく) 、半導体などさまざまなものを利用したセンサーが報告されている。 このうち半導体式センサーや脂質膜(ししつまく)センサーなどが実用化され市販されている。これらのセンサーは構成する臭気の成分比が一定の場合は良好な応答を示す。しかし、対象となる臭気によって感度が異なり、人の嗅覚と必ずしも一致しない。また、温湿度の影響などもあり、センサーの特性を十分理解して利用しなければならない。

におい袋

臭気濃度を測定する方法の一つである三点比較式臭袋法(さんてんひかくしきにおいぶくろほう)において使用される袋である。形状は約25cm四方であり、1つの角にガラス管(外形12mm、長さ6cm)が取り付けられており、ガラス管の先端はシリコン栓により封じられる。 材質はポリエステルフィルムが用いられる。袋の容積は3lに保たれるように調整されており、無臭空気を送入後、臭気試料を一定量この袋の中に注入し、所定の希釈倍数に希釈する。パネルはその袋の中のにおいを嗅ぎ、においがあるかどうかを3点比較法により判定する。

2点比較法

官能試験法の一つ。主に資料館の差の有無やパネルの識別能力の有無を判定する時に用いられる。試料(刺激)AとBを盲試料として、同時または継続的にパネルに呈示し、どちらの刺激強度がより強いか(2点識別法)、またはどちらが好ましいか(2点嗜好法)など質問に該当する方を選ばせる。これを同一人にn回、または1人1回ずつn人に対して行う。ただし、2点識別法の場合は、試料間に濃度の大小などといった客観的順位が存在しなければならない。また、判定が困難な場合でも不明または同順位を禁じた方がよいとされている。A,B間に客観的順位が存在する場合は片側検定、そうでない場合には両側検定を行う。p=1/2の2項分布を用いる。

ニ硫化メチル

CH3SSCH3、分子量94.2、沸点116~118℃、融点(ゆうてん)-98℃、比重1.057。腐ったキャベツのようなにおいをもつ。 特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.009~0.1ppmである。主な発生源としてパルプ製造工場、化製場、し尿処理場等(にょうしょりじょう)がある。

認知閾(にんちいき)(値)

においを嗅いで、それが何か、またはそれがどんなにおいか表現できるそのにおいの最低濃度を認知閾(にんちいき)(値)(耳鼻咽喉科では認知域値)という。T&Tオルファクトメーターのテストではにおいの性質を表現しやすいように、におい言葉の例をいくつか準備して被験者に見せている。

燃焼臭

ガス燃焼器具(レンジ、オーブン、ストーブ、給湯機など)、石油燃焼器具(ストーブ、給湯機)などの着火時、定常燃焼時、消火時に発生する臭気のこと。
FF型石油ストーブの場合、ガス化式では消火時に、ポット式では着火時ににおいが強い。燃焼器具の排ガス成分は全炭化水素類、アルデヒド類、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素なおであり、燃焼臭の主な成分は炭化水素類とされている。

ノルマルバレルアルデヒド

CH3(CH2)3CHO。分子量86.14、沸点102.5℃、融点(ゆうてん)-91.5℃、比重0.811。検知閾値(けんちいきち)は0.00071ppmとされている。 特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.009~0.05ppmである。

ノルマルブチルアルデヒド

CH3(CH2)2CHO、分子量72.11、沸点75.7℃、融点(ゆうてん)-99℃、比重0.80。検知閾値(けんちいきち)は0.0003ppmとされている。 特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.009~0.08ppmである。

ppm

parts per millionの略語であり、100万分の1(10-6)を意味する濃度単位である。

腐敗臭

一般には、動植物体のタンパク質、炭水化物および油脂類の分解によって生成する硫化水素やメルカプタン類などの硫黄化合物や、アミン類などの窒素化合物および低級脂肪酸類などを臭要因物質とする複合系臭気で、嘔吐を伴うような(嘔吐臭)嫌悪性の強い悪臭である。腐敗臭の原因物によって「野菜の腐った」「肉の腐った」「卵の腐った」「生ごみ」などの具体的な表現が使われる場合もある。においの分類の面からは、Amooreなどの多くの研究者が基本的なにおいとして挙げている。

プロピオン酸

C2H3COOH、分子量74.08。沸点141℃、融点(ゆうてん)-22℃、比重0.999。検知閾値(けんちいきち)は0.00024ppmとされている。特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.03~0.2ppmである。

ペット臭

ペットから発生するにおい、およびペットの糞尿などが原因で発生するにおい。悪臭防止法の第12条に国民の責務として、愛がんする動物の飼養(しよう)によって悪臭が発生し 周辺地域における住民の生活環境が損なわれることのないよう努めることが求められている。

弁別閾(べんべついき)(値)

感覚強度の差を検知できる最少の濃度差であるが、濃度レベルで異なり、濃度が高くなるほど弁別閾(べんべついき)も高くなる。そこで弁別閾(べんべついき)を基点の濃度で割ったウェーバー比が用いられる。においのウェーバー比は、初期の頃は13~33%の範囲のものが報告されていたが、その後、37~54%(プロピオン酸)や4.2%(n-ブタノール)、9%(酪酸(らくさん)アミル)が報告され、においの種類によって異なっている。

マスキング法

ある臭気(悪臭)が存在する場合、これより強い芳香臭などを作用させて臭気(悪臭)を感じなくさせる方法をいう。

メチルイソブチルケトン

CH3COCH2CH(CH2)2、分子量100.16、沸点115.9、融点(ゆうてん)-84.7、比重0.796。特異臭のある液体。検知閾値(けんちいきち)は0.17ppm。特定悪臭物質に指定されており、 敷地境界規制基準の範囲は1~6ppm。安定した溶剤としてさまざまな用途がある。

メチルカプタン

CH3SH、分子量48.11,沸点6℃、融点(ゆうてん)-121℃、比重0.896。腐ったたまねぎのようなにおいをもつ。検知閾値(けんちいきち)は0.00010ppmとされている。特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.002~0.01ppmである。主な発生源としてパルプ製造工場、化製場、し尿処理場(にょうしょりじょう)等がある。

酪酸(らくさん)

ノルマル体とイソ体がある。分子量88.11。不快な酸敗臭(さんぱいしゅう)をもつ。ノルマル酪酸(らくさん)CH3(CH2)2COOHは沸点163.5℃、融点(ゆうてん)-5.7℃。比重0.959。不快性の強い腐敗臭で、検知閾値(けんちいきち)は0.000068ppm。イソ酪酸(らくさん)(CH3)2CHOOHは、沸点154.5℃、融点(ゆうてん)-47℃、比重0.96。検知閾値(けんちいきち)は0.0014ppm。
ノルマル酪酸(らくさん)は特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.01~0.006ppm。主な発生源として畜産事業場、化製場、でんぷん工場等がある。

硫化水素

H2S、分子量34.08、沸点-60.3℃、融点(ゆうてん)-85.5℃。腐った卵のようなにおいをもつ。検知閾値(けんちいきち)は0.0005ppm、認知閾値(にんちいきち)は0.006ppmとされている。 特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.02~0.2ppmである。発生源としてはし尿処理場(にょうしょりじょう)、下水処理場、畜舎、化製場、クラフトパルプ工場などをはじめとして多岐(たき)にわたる。

硫化メチル

CH3SCH3、分子量62.14、沸点37.5℃、融点(ゆうてん)-83.2℃、比重1.257。腐ったキャベツのようなにおいで、薄い場合は磯(いそ)の香りを連想させる。検知閾値(けんちいきち)は0.00012ppmとされている。特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.010~0.2ppmである。主な発生源としてパルプ製造工場、化製場、し尿処理場等(にょうしょりじょう)がある。

6段階臭気強度表示法

臭気強度表示法の一つである。日本ではもっとも広く使われており、具体的には以下の表現が用いられる。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい(検知閾値)
2:何のにおいであるかがわかる弱いにおい(認知閾値)
3:楽に感知できるにおい
4:強いにおい
5:強烈なにおい
悪臭防止法における22物質の基準値を設定する際の評価尺度として採用されている。具体的には臭気強度2.5と3.5に対応する各物質の濃度の範囲内で基準値が決められている。6段階臭気強度表示法は、悪臭防止法の「敷地境界線における規制基準」の設定において、悪臭の強さと悪臭原因物の濃度(または臭気指数)の関係を示す尺度として用いられている。規制基準は6段階臭気強度表示法の臭気強度2.5を下限、臭気強度3.5を上限とし、特定悪臭物質および臭気指数のそれぞれ対応する濃度あるいは臭気指数の範囲が定められている。

引用文献:[最新]においの用語と解説[改訂版]
社団法人 臭気対策研究協会