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オゾンについて

三協エアテックでは、オゾンを用いたさまざまな研究を重ね、実績を積み重ねています。
ここでは、オゾンが持つ力や働きについて、「入門編」と「技術編」に分けて解説していきます。

入門編

オゾンの物質的性質

オゾン(O3)は、3つの酸素原子が集まった、生命の素・酸素(O2)の兄貴分。常温常圧では無色(高濃度になると薄青色)の気体で、特有のニオイをもっています。酸素(O2)に比べて原子の結合力が小さいため、すぐに酸素(O2)と酸素原子(O)に分かれます。

分子記号 O3
分子量 48
薄い青色【常温気体】
臭い 特有臭気
沸点 -111.9℃
融点 -192.5℃
密度 2.144kg/m3【0℃気体】

自然界でのオゾン濃度

上空25km付近のオゾン層は10~20ppm程度と高濃度ですが、通常の大気中では0.005ppm程度存在しています。また、日差しの強い海岸などでは0.03~0.06ppm、森林では0.05~0.1ppmの濃度が観測されます。脱臭目的でオゾンを利用する場合、自然環境より少しだけ高い濃度に設定します。
オゾン濃度0.1ppm以下(日差しの強い海岸や森林の環境濃度程度)でも十分な脱臭効果を期待できます。
※殺菌も行いたい場合は、1~3ppmのオゾンを使用します。

自然界でのオゾン濃度

ppmって何?

ppmは100万分の1という割合を示す単位です。また、ppbは10億分の1という単位。おなじみの%はppc(pert per cent)で100分の1という単位です。最近は分析技術之進歩で、ppt(1兆分の1)という単位もよく使用されます。
★1ppm=0.0001%=1000ppb=1000000ppt

オゾンの安全性

オゾンの安全基準

低濃度のオゾンは人体に有益ですが、高濃度のオゾンを直接吸い込んだり、長時間触れていると、人体にとってよくありません。日本産業衛生学会ではオゾンに関する作業環境での許容濃度を0.1ppm以下と定めています。

※作業環境での許容濃度
労働者が1日8時間、1週間40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に暴露される場合に、当該有害物質の平均暴露濃度がこの数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上悪い影響が見られないと判断される濃度のこと。

オゾン濃度と生理作用

オゾン濃度が人体に及ぼす影響について以下に示します。

オゾン濃度(ppm) 人体に及ぼす影響
0.01~0.02 多少の臭気を感じる場合がある
0.02~0.05 オゾン特有の匂いがわかる
0.06 慢性の肺疾患の患者にも悪影響はない
0.1~0.3 鼻・のどに刺激を感じる
0.5 オゾン環境に労働する者に慢性気管支炎等が増える
0.6~0.8 胸痛・咳・呼吸困難・肺機能の低下等を生じる
1.0~2.0 疲労感・頭痛等を1~2時間で生じる
5.0~10 脈拍増加・体痛・麻酔状態・肺水腫をおこす
15~20 小動物は2時間以内に死亡する
50 人は1時間で生命が危険な状態となる

オゾンで「脱臭」

ヒトが「ニオイ」を感じるのは、鼻の奥にある嗅細胞が刺激されるからです。「よい香り」も「イヤなニオイ」も個人の感覚で判断されていまうため紙一重なのです。芳香剤は、「イヤなニオイ」を「強いよい香り」で隠してしまう方法。これに対して、オゾン脱臭とは「嗅細胞を刺激する物質を無臭化させる」方法です。「イヤなニオイ」の成分は、オゾンから生まれる酸素原子・酸素イオンと非常に反応しやすく、反応(酸化分解)したあとに悪臭や健康に有害な物質を生み出す心配もありません。

オゾンで「脱臭」

オゾンの脱臭効果

生ゴミやトイレの臭い、腐った食品の臭いなど、不快に感じる臭いの多くは有機性物質です。オゾンはこれらの臭気成分を迅速に分解・無臭化することができます。とくに、低濃度臭気の場合でも効果があることが大きな特長です。

オゾンが反応しやすい主な臭気

人・動物臭

体臭

癌腫臭

口臭

嘔吐臭

動物、ペットの臭い

死体腐敗臭

食品臭

果物の臭い

魚の臭い

焼肉の臭い

玉ねぎの臭い

ニンニクの臭い

チーズの臭い

お酒の臭い

焼け焦げ臭

漬物の臭い

生活臭

ゴミ臭

靴の臭い

排水口の臭い

下水臭

トイレの臭い

タバコ臭

カビ臭

線香の臭い

調理場の臭い

産業臭・その他

下水処理場の臭い

食肉センターの臭い

火葬場の臭い

病院・病室の臭い

ゴム加工臭

肥料の臭い

オゾンが反応しにくい主な臭気

インクの臭い

塗料の臭い

ガソリンの臭い

グリス臭

ホルマリンの臭い

シンナーの臭い

VOC臭

アスファルト臭

メッキ加工臭

殺虫剤の臭い

石鹸の臭い

香辛料の臭い

タール臭

接着剤の臭い

オゾンで「殺菌」

オゾンから生まれる酸素原子は、細菌の細胞膜を酸化して死滅させることができます。欧米の浄水場で、オゾン殺菌が主流となっている理由は、反応が速いことと同時に新たな毒性物質を生み出さないこと、さらにオゾンはすぐに酸素に変化して残留しないという特長があるからです。だから、医療用や食品・厨房用にオゾンを利用しても安心です。

オゾンで「殺菌」

技術編

オゾンで「脱臭」

オゾン脱臭法と他の脱臭方法との比較

脱臭方式 代表例 概 要 設備
投資額
維持費
(原料)
特 徴
オゾン
脱臭法
オゾン 悪臭物質をオゾンの酸化反応により脱臭する
空気
・原料は空気で、水・薬品・燃料は使用しない ・メンテナンスも容易 ・トイレやゴミ置場、下水処理施設や漁業関連施設で採用事例が多い
薬品分解法 次亜塩素酸水 悪臭物質と薬液を接触させ科学中和や酸化反応により脱臭する
薬液
・薬液の補充や塩素量などの調整が必要となる ・食品工場や化製場などで使われる事が多い
消臭剤法 フィトンチッド 微香性芳香剤を散布する事により感覚的に臭気を和らげる
芳香剤
・導入が容易 ・散布処理での脱臭効果は一時的リラックス効果も期待できる ・芳香剤の使用対象となる人間集団によって求められる香質は異なる ・家庭用トイレやキッチン、ホテルのロビーや診療所の待合室などでの導入事例も多い
吸着法 活性炭 臭気成分をろ材に吸着させる事により脱臭する
ろ材
・前処理としてフィルターでの集塵と併用して使用する事が多い ・使用するろ材により交換費用は大きく変動する ・ダクトに集約された排気の脱臭や空気清浄機など循環型の装置内で使用される事例が多い

芳香剤など、快香を悪臭より強く流して臭いを感覚的に和らげる方式(消臭剤法)は、臭いそのものは残ってしまいます。したがって、壁や天井に染み付く臭いを抑制することは困難であり、においの変調(混合によるにおいの質的変化)によって別の悪臭を発生させる事例も存在します。
これに対しオゾン脱臭法は、強い酸化分解により臭いそのものを分子レベルで無臭化することができます。その為、壁や天井面への臭いの染み付きを抑制する事が可能であり、においの変調もありません。

特定悪臭物質に対するオゾンの脱臭効果

特定悪臭物質とは不快な臭いの原因となり、生活環境を損なうおそれのある物質であり、悪臭防止法施行令一条の規定により下記の22物質が制定されております。

※ オゾンの脱臭効果 ○:効果は高い、△:脱臭は可能、×:効果は低い、-:公的実験データなし

物質名 においの特徴 脱臭効果
アンモニア し尿臭
メチルメルカプタン 腐った玉ねぎ
硫化水素 腐った卵
硫化メチル 腐ったキャベツ
トリメチルアミン 腐った魚
二硫化メチル ニンニク臭
アセトアルデヒド 青臭いにおい
プロピオンアルデヒド 焦げたにおい
ノルマルブチルアルデヒド 焦げたにおい
イソブチルアルデヒド 焦げたにおい
ノルマルバレルアルデヒド 焦げたにおい
イソバレルアルデヒド 焦げたにおい
イソブタノール 有機溶剤
メチルイソブチルケトン 有機溶剤 ×
トルエン 有機溶剤 ×
酢酸エチル 有機溶剤
キシレン 有機溶剤 ×
スチレン 特異な刺激臭 ×
プロピオン酸 酸っぱいにおい
ノルマル酪酸 汗臭いにおい
ノルマル吉草酸 むれた靴下
イソ吉草酸 むれた靴下

オゾンで「殺菌」

オゾンから生まれる酸素原子は、細菌の細胞膜に作用し、死滅させます。高濃度で供給しつづければ、細菌を遺伝子レベルで破壊する強さも持っています。欧米の浄水場での水処理は、オゾンを活用したプロセスが主流となっています。その理由には、反応が速い事と同時に新たな毒性物質を生み出さないという、オゾンの利点があげられます。オゾンは正しくコントロールすれば、医療、福祉、食品業界などの分野で効果的かつ安全に利用できます。

オゾンで「殺菌」

食品分野で多く利用される「オゾン水」と
「次亜塩素酸水」の殺菌に関する比較

名称 オゾン水 次亜塩素酸水
原料 酸素 塩酸・塩化ナトリウム
管理濃度の目安 野菜:0.3~1ppm
手指:0.3~2ppm
工場:0.5~5ppm
野菜:50~100ppm
手指:100~150ppm
工場:100~300ppm
能力及び安全性 いずれも強い酸化力を有し、コントロールが正しければ相応の殺菌力を発揮する
両者ともに食品添加物として認められており、利用方法も確立されている
大きな相違点 残留性 オゾンが自己分解しやすく、残留しない
持続効果がないため、二次汚染には注意が必要

塩素は分解しにくく、残留しやすい
野菜等は殺菌後、調理する前に残留
塩素を改めて水で洗い流す必要がある
人体への影響 野菜の殺菌程度に使用する場合
目や口に入っても問題なく安心して使用できる
手荒れや皮膚の炎症を招く
原液を扱う場合は、保護メガネやマスクの着用を促される
維持管理 水・空気・電気のみで作れる為、維持費は安価
蛇口をひねるだけで使用できる
薬剤の調達が必要な為、オゾンに比べると維持費用が高い
使用の際、薬剤の調整が必要

オゾンガスによる殺菌効果

オゾンガスによる殺菌効果

※ CT値 = 濃度(ppm) × 噴霧時間(min)
<参考>CT値600=2ppm×300min オゾン濃度2ppmで300分間オゾン殺菌した場合、 黄色ブドウ球菌、大腸菌は、99.9%以上死滅します。

オゾン水による殺菌効果

病原体(細菌・ウィルス・真菌)の種類 オゾン水濃度
(ppm)
接触時間
(秒)
CT値
(ppm×分)
致死率
(%)
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) 2.0 30 1 100
O-157 2.0 5 0.17 100
サルモネラ菌 2.0 30 1 100
セラチア菌 2.0 15 0.5 100
腸炎ビブリオ 2.0 5 0.17 100
大腸菌 1.0 5 0.08 100
ブドウ球菌 1.1 5 0.09 100
緑膿菌 1.0 5 0.08 100
クロストリジュウム・
バーフリンゲンス
1.0 5 0.08 100
インフルエンザウイルス 1.0 5 0.08 100
鶏脳脊髄炎ウイルス 0.7 5 0.06 100
鶏コクシジュウム 1.9 30 0.95 100
カビ 0.5 19 0.16 99.9
枯草菌 0.5 30 0.25 99.9

※日本医療環境オゾン研究会 および 厚生省予防衛生研究所データより抜粋

オゾン利用について

科学技術の多くは、利用方法次第で毒にも薬にもなり得ます。安全基準がはっきりしない物質が多い中、オゾンの安全領域と有害領域は世界的に確立されています。この事は、オゾンは正しくコントロールすれば、高い安全性が確保できる事を意味しています。また、オゾンが広く利用された背景には、以下の点において安全上取り扱いやすい気体であった事があげられます。

  • オゾンは不安定な気体であり、すぐに酸素に戻ろうとする為、精密な設計・計画をしない限り、危険なほどの高濃度の環境を作ることができません

  • 安全基準より低い濃度でもオゾンには「特有の匂い」があり、その存在を感じることができます

当社では、有人の環境下でオゾンを使用する場合、安全を最優先に機器を設計、制作し、設置場所での制御も万全を期しております。安心してご利用頂ければ幸いです。