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オゾンラボ

FILE
134

オゾン水散布による土壌の変化

◆ 実験課題

沖縄大宜味村におけるシークワーサーの無農薬栽培において、オゾンによる害虫対策の研究として、FILE133で紹介したように霧状のオゾン水を果樹に噴霧している。
約1か月経過した時点でのオゾン水が浸透した土壌と、オゾン水が接触していない土壌の差異を確認するために、土壌に存在する一般生菌を測定する。

◆ 実験方法

一般生菌の測定は、日水製薬のコンパクトドライを用いて下記の手順で実施する。

 ・土壌20gをビーカーに投入し、滅菌希釈水180mLで10倍に希釈後スタイラーで撹拌する。
 ・半日放置後上澄み液10mLを採取し、滅菌希釈水90mLを加えて原土壌を100倍に希釈する。
 ・さらに、滅菌希釈水で10倍に希釈して原土壌の1000倍希釈液を作成する。
 ・3種類の希釈液を各1mLコンパクトドライに滴下して所定環境にて菌を培養する。
 ・培養後に顕微鏡で菌のコロニー数を確認しそれぞれの希釈倍率を考慮して菌数を計算する。

測定手順

◆ 実験結果

一般生菌 10倍希釈 100倍希釈 1000倍希釈 備考
オゾンなし土壌 菌過密により
群数計測不可能
6.0×105 cfu/g 6.0×105 cfu/g 菌数は希釈倍数を
考慮した換算後の数値を示す
オゾン噴霧土壌 1.6×106 cfu/g 2.0×106 cfu/g

◆ 結論

一般生菌はオゾン水噴霧をした土壌のほうが菌のコロニー群数が1桁多い結果となった。

◆ 考察

一般生菌の測定結果について、オゾン水を散布している土壌のほうが菌(微生物)が多い結果となった。比率的には約3倍であるが、誤差の範囲ではないと考える。基本的にオゾンは微生物に対する殺菌力が強いものであるが、散布は1日2回(朝・夕)であり、オゾンが分解した後の酸素含有量の多い水分が残るため、好気性の微生物が増加している可能性も考えられる。
土中の微生物に対する研究論文では、空気中に比べて土中では二酸化炭素濃度が高く、好気性微生物が増殖しにくい環境であるという記載もある。
要因は推測の域を脱しないが、オゾン水噴霧により土壌に何らかの差異が生じていることは明らかであると考える。