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オゾンラボ

FILE
128

非常に低いオゾン水濃度に対するオンサイトでの測定方法

◆ 課題

FILE012で紹介したように貯蔵タンクにおけるバクテリア殺菌手段として、低濃度のオゾン水処理が有効である。また、洗浄水として使用するときにはオゾンを除去する必要があるが、非常に低濃度での測定&管理が必要となる。

作業現場においては、荏原実業製の高精度なオゾン水モニターを用いて日々測定を実施しているが、測定のための初期投資や測定試薬の費用および作業の手間もかかるのが実情です。その課題を解決する手段として、FILE127で紹介した『 環境省が推奨する測定方法を簡素化した測定手順 』を応用できないかを確認する。

◆ 実験方法

環境省が告示する特定悪臭物質の測定方法(環境庁告示9号)に記す“第3 排出水中における濃度の測定”を参考にして、気相濃度の測定をガスクロの代わりにガス検知管により実施し、下記換算式により水中のオゾン水濃度を検出できることを確認する。

水中に含まれるオゾンガスが気相に100%揮発すると仮定し、気相のオゾン濃度測定値により水中のオゾン水濃度を求める。

オゾン水濃度(mg/L) =
気相のオゾンガス濃度(ppm) × 気相の容積(L)× K / オゾン水の容積(L)

K:オゾンガス濃度をオゾン質量に変換する定数
=48,000mg×10-6/22.4L = 0.00214(mg/L)

【実験 A】 
 ・低濃度で生成したオゾン水を300mLの容器に150mL投入し密閉状態とする
 ・容器を30秒間振とうした直後に気相部分のオゾンガス濃度を測定する
 ・換算式により水中のオゾン水濃度を算出する
 ・オゾン水モニターの測定結果と比較する

【実験 B】 
 ・実験Aで生成したオゾン水を100倍に希釈する
 ・希釈したオゾン水を300mLの容器に150mL投入し密閉状態とする
 ・容器を30秒間振とうした直後に気相部分のオゾンガス濃度を測定する
 ・換算式により水中のオゾン水濃度を算出する

 

◆ 実験結果

  気相濃度測定 水中濃度換算 備 考
実験 A-1 50ppm 0.107ppm 簡易測定結果
実験 A-2 0.10ppm オゾン水モニター測定結果
実験 B 0.3ppm 0.001ppm 0.1ppmを100倍希釈した水

◆ 結論

高精度オゾン水モニターの測定限界が0.02ppmであるのに対して、ほぼ一桁低い濃度まで測定できる結果を得た。

◆ 考察

あくまでもオンサイトで実施できる簡易的な方法での測定結果であるため、絶対精度(信頼度)は不明である。ただ、非常に低い濃度を繰り返し安定して測定できることが確認できたことも事実である。