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オゾンラボ

FILE
189

バイオ発電の排水に含まれる高濃度アンモニア態窒素の分解除去

◆ 課題

バイオ発電の排水に含まれる高濃度アンモニウム態窒素を分解除去する方法として 排水に直接オゾンガスを混合させる方式による分解除去効率を評価する。

◆ 実験方法

提供していただいた排水サンプルを用いて、下記項目の実験による評価を実施する。

・排水10Lを処理水槽に貯めてミキシングポンプで循環しながらオゾンガスを混合する
混合するオゾンガスは20g/m3✕4L/minの条件で供給する
・所定時間後に排水を回収しアンモニウム態窒素の濃度を測定する
処理時間については1分・2分・3分・7分・15分後の5種類で実施する
・アンモニウム態窒素の濃度については共立理化学研究所のパックテスト(WAK-NH4-4)
を用いて測定し、その結果を用いて下記式にて分解効果を算出する

分解効果=1-( 処理後の溶存濃度÷処理前の溶存濃度 )

・パックテストの測定範囲は0.2~10mg/Lのため、精製水を用いて排水を所定の倍率で
希釈した排水の残留濃度を測定する

実験状況

◆ 実験結果

オゾン処理条件 アンモニウム態窒素測定結果
処理時間 オゾン供給量 測定時希釈 測定値 希釈前換算値 分解効果
処理前 200倍希釈 2ppm

400ppm

1分処理 80mg 200倍希釈 2ppm 400ppm 0%
2分処理 160mg 200倍希釈 1.8ppm 360ppm 10%
3分処理 240mg 200倍希釈 1.5ppm 300ppm 25%
7分処理 560mg 200倍希釈 1.3ppm 260ppm 35%
15分処理 1200mg 200倍希釈 1ppm 200ppm 50%

◆ 結論

排水に直接オゾンガスを混入することによりアンモニウム態窒素を分解除去できる。
その分解効果については溶存アンモニウムの質量比1/3倍のオゾン供給時50%であった。

加えて、オゾン処理直後に排水の溶存オゾン濃度を測定した結果については、 検出限界値(0.001ppm)未満であった。

処理初期ではオゾン処理により有機成分の分解にともなう発泡が多く発生するが、 時間とともに消泡し、逆に溶剤の色味が濃くなっている。

 

◆ 考察

今回提供いただいた排水サンプルについて、アンモニウムを50%除去するために必要なオゾン量は480g/hと考える。

ただし、実験結果ではオゾンは分解処理後の排水には残留していないが、後工程の微生物排水処理槽へのオゾン流出や室内環境におけるオゾン臭の問題などのリスクがゼロとは言い切れないため、初期導入設計としては70~80g/hのオゾン供給により20%レベルのアンモニウム削減効果を目標とすることをお勧めします。

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