臭気判定士って何する人?

「臭気判定士」という資格をご存じですか?

「とても鼻が利く人」「色んなにおいを嗅ぎ分けられる人」と思う方が多いかもしれませんが、そうではありません…。

悪臭防止法ってどんな法律?」という記事にも書いているとおり、日本には、工場やその他事業場における事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行い、周辺住民の生活環境を保全することを目的とする「悪臭防止法」という法律があります。

臭気判定士はこの「悪臭防止法」に基づき創られた国家資格です。

では、臭気判定士は実際に何をする人なのでしょうか?

簡単にいうと、臭気判定士の仕事は「臭いを数値化する」ことです。

臭いは感覚的なものではありますが、大きく分けて2つの方法で「数値」として表すことができます。
1つは分析機によって測定する「成分濃度表示法」、もう1つは人の嗅覚を用いる「嗅覚測定法」です。
(においの数値化については、また別の記事で説明しますね)

臭気判定士は「嗅覚測定法」を行うための資格で、試料の採取から臭気の希釈・調整、パネル(においを嗅ぐ人)の管理、測定の実施、結果の算出など一連の測定業務を行うことができます。

近年では、様々な臭いや成分が入り混じった「複合臭」が多く、成分濃度だけの測定で
臭いを調査するには難しいケースも多く、嗅覚測定法で数値化することが主流になってきています。

臭気判定士の資格は18歳以上の方であれば誰でも受験の申請をすることができ、
筆記試験と嗅覚検査に合格すれば資格を得ることができます。

嗅覚が優れている必要はありませんが、筆記試験が難しいといわれており、
においを感じる仕組みや嗅覚の概論、統計、臭気に関する法律、測定方法など勉強する範囲も広く、
かつ、70%の正答率がないと合格できません。

合格率も毎年20%~30%くらいと低く、かなり勉強しないと取得できない資格なのです。

毎年10,000件以上あるといわれている悪臭苦情。
事業活動に伴う臭気の課題を抱えている方は、まずは臭気判定士に相談してみてはいかがでしょうか?