オゾンの話
労働安全衛生規則とオゾンの濃度基準値
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2025年10月から労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則が変わり、濃度基準値設定物質にオゾンが追加されました。
濃度基準値設定物質とは、労働者の健康障害を防止するために、屋内作業場における化学物質のばく露濃度の上限値(濃度基準値)が設定された物質のことで、67物質だったものが、2025年10月1日より179物質に増えました。
濃度基準値は、物質ごとに「8時間濃度基準値」「短時間濃度基準値」のどちらか一方、または両方が設定されており、オゾンは「短時間濃度基準値」が設定されています。
・8時間濃度基準値:1日の労働時間における8時間平均濃度の上限。
・短時間濃度基準値:1日の労働時間における15分間平均濃度の上限。
オゾンの短時間濃度基準値は0.1ppmと決められています。
これは、作業者が吸う空気のオゾン濃度を計測したとき、15分間の平均値が0.1ppmを超えないように管理する必要があるという意味です。
労働災害を未然に防ぐための基準値ですので、オゾンが発生している事業場では、
リスクアセスメントの過程において、室内作業場のオゾン濃度が基準値を超える危険性があると分かった場合に、事業規模にかかわらず、濃度基準値0.1ppm以下になるように管理しなくてはなりません。
オゾンが発生する事業場に求められる対応として下記の3つがあります。
・化学物質管理者の選任
・オゾン濃度と測定の管理
・保護具着用責任者の選任
▼化学物質管理者の選任
リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業所では、化学物質管理者を選任する義務が発生します。
化学物質管理者の主な役割として、労働者への周知や教育を行い、オゾンの安全な取り扱いを徹底させることです。
▼オゾン濃度と測定の管理
オゾン検知器やオゾン濃度測定器などを利用し、
作業する場所(室内)のオゾン濃度を定期的に測定し、基準値を超えないように管理体制を整えましょう。
▼保護具着用責任者の選任
リスクアセスメントの結果に基づく措置として、労働者に保護具を使用させるときは、保護具着用管理責任者を選任することが必要です。
有効な保護具の選択、労働者の使用状況の管理、その他保護具の保守管理にかかわる業務を行います。
高濃度のオゾンは、目や鼻、喉を刺激するなど、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
オゾンを取り扱う事業場は 、労働者の安全と健康を守るため、労働安全衛生規則で設定されているオゾン濃度基準値0.1ppmを遵守するよう、管理体制を整えましょう。