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オゾンラボ

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オンサイトで実施できる除草剤の土壌残留レベル測定技術

◆ 課題

土壌に残留する除草剤などの分析・検出方法としては農場から土壌サンプルを採取・保管し、
分析センターにおいてガスクロなどの分析システムを利用する必要がある。
無農薬栽培が広がりつつある状況において、コストおよび時間がかかる上記の方法ではなく、
現地で容易に土壌の残留農薬を検出する方法が望まれている。

◆ 対策案

ラウンドアップは下記に示すとおり、リン酸とアミノ酸の結合構造であり、強塩基との反応によりアミン類を揮発させることができれば、ガス検知管による簡易的な方法で残留が検出できる。

現在市販されているラウンドアップ
 商品名:ラウンドアップ マックスロード AL
 成 分:グリホサートカリウム塩溶剤(0.96%)+水・界面活性剤(99.04%)
 化学名:カリウム = N -(ホスホノメチル)グリシナート
 化学式:C3 H7 KNO5 PK

◆ 実験方法

 ・測定種類分の200mL三角フラスコを準備し、ラウンドアップを20mL投入する。
 ・ラップで密閉した三角フラスコにガス検知管を差し込み、ガス成分を測定する。
 ・各フラスコに所定量の水酸化ナトリウムを投入する。
 ・ラップで密閉した三角フラスコにガス検知管を差し込み、ガス成分を測定する。
 ・ガス検知管は検出の可能性が高いと考えるアミン類(№180L)を用いる。
 ・参考として窒素酸化物および炭化水素系の検知管も利用する。

実験結果

使用するガス検知管 揮発成分の測定値 備考
(ガス検知限度)
NO. ガス名 化学式 溶液単体 NaOH添加
3L アンモニア NH3 検知限度未満 検知限度未満 0.2 ppm~
80 酸性ガス NO2 検知限度未満 検知限度未満 0.5 ppm~
111 メタノール CH3 OH 検知限度未満 検知限度未満 4 ppm~
172L エチレン CH2:CH2 検知限度未満 検知限度未満 0.2 ppm~
180L アミン類 R・NH2 検知限度未満 0.45ppm 0.1 ppm~

◆ 結論

グリホサート溶液単体では、ガス検知管による揮発ガス成分は検出できなかったが、NaOHを所定条件で反応させることにより、揮発成分としてのアミン類を検出した。
グリホサートとNaOHの化学反応によりアミン類を検出することが確認できたため、土壌にNaOHを反応させる方法で残留農薬(ラウンドアップ)を検出できる可能性はあると考える。

◆ 考察

今回の実験ではグリホサート溶液に直接NaOHを反応させるという最適環境での結果であり、第二段階としてグリホサート溶液を噴霧した土壌にNaOHを反応させて如何にしてアミン類を検出することができるのか? さらにはグリホサートの土壌残留レベルの違いを検出できるようなアミン類の濃度検出精度が確保できるのか? の実証実験を実施する。