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オゾンラボ

FILE
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台湾の国立大学との共同研究Ⅱ

◆ 課題

FILE077で紹介した台湾国立大学との共同研究の続報です。すでに報告したように稚魚の養殖において問題となるウィルス感染をオゾン殺菌により改善することが研究課題です。

養殖場のオゾン殺菌については過去のいろいろな研究で失敗しており、今回の共同研究においても初期段階においては多くの魚を殺してしまう結果となった。

◆ 実験結果

オゾン濃度を変化させて繰り返した失敗事例を分析したところ、オゾン濃度と魚の死ぬタイミングが必ずしも一致しないことが判明した。そこから導き出した魚の死因は、オゾンを含めたいろいろなストレスの影響と考え、そのストレスを軽減させた結果、ウィルス殺菌可能なオゾン濃度下でも問題なく魚を飼育できる養殖環境が達成できた。

現時点の実験に用いた魚は、稚魚よりも少し成長した幼魚を用いた実験ではあるが、数ヶ月間にわたり活発に飼育できており順調に魚体も成長している。

上記の実験と平行して大学の研究室において、上記のオゾン濃度でどれだけの殺菌効果があるかを評価した。

◆ 殺菌効果の評価

養殖場のオゾン環境(飼育水槽における24hのCT値)と同等の環境で、養殖場で問題となっている神経性ウィルスに対してどれだけの殺菌効果があるかを評価する。

・3種類のオゾン水(オゾン濃度=0.5、0.1、0.02ppm)を各1mL製造する。
・そこにウィルスを投入し、10分間反応させる。
・その反応水からウィルスを抽出し、所定期間培養した後にウィルス検体数を測定する。
・オゾン殺菌していない状態における検体数との差異により殺菌効果を評価する。

◆ 評価結果

  実験A 実験B 実験C 基準値
オゾン水濃度 0.5ppm 0.1ppm 0.02ppm 0ppm
殺菌時間 10分
ウィルス検体数 1.11 × 105 8.05 × 104 5.58 × 107 2.13 × 107
殺菌効果 99.48% 99.62% 効果なし

上記の実験Bが養殖場における低濃度のオゾン環境と同等である。
従って、養殖場での殺菌効果も充分に確保できていると判断する。

◆ 考察

研究室での殺菌効果は確認できたが、真水を用いた評価であり、実際の養殖場における海水処理での殺菌効果の確認が必要である。
ただし、海水でのオゾン殺菌は真水でのオゾン殺菌よりも殺菌力がアップすることが知られているため問題はないと考える。
最終段階として、オゾンに対する抵抗力が弱い実際の稚魚による評価を実施する。