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◆ 研究課題

製菓工場においてすでに湿式スクラバの排気処理設備を活用しているが、その設備からの排気に強いミント臭が残留しており問題となっているので何とかしたい、何かよい改善方法はないか
という相談を受けました。そこで既設の排気処理設備にオゾンガスを投入することによる脱臭効果を確認しました。

◆ 実験方法

お客様から提供していただいたフレーバー（グレープとミント）を用いて臭気を再現する。
・フレーバーを三角フラスコに入れてバブリングする。

再現した臭気にオゾンを接触させることにより臭気の分解脱臭効果を確認する。
・エジェクターにより臭気を吸引してオゾンと接触させる。
・オゾン濃度を変えて実験することにより脱臭に必要なオゾン量を判定する。

次に水吸着とオゾン分解の複合脱臭（当社のアクアオゾンシステムの簡易方法）の脱臭効果を確認する。
・三角フラスコに水を入れて、臭気とオゾンをともにバブリングする。

脱臭効果の算出は、原臭気と脱臭後の臭気濃度の差異で計算する。
臭気濃度は、ニオイセンサーと官能的臭気強度により臭気濃度を導き出す。

実験結果

◆ 結論

オゾンによるフレーバーの脱臭反応は短時間で処理できると判断します。
湿式スクラバ内における反応時間20～30秒程度での脱臭効果は40～50％と判断します。
ただし、排気風量に対して20ppmレベルで大量なオゾンが必要となります。
さらに、水吸着による臭気の脱臭効果は80％以上とよい結果を得ました。
この結果から考えて、現在使用している湿式スクラバでも同様の結果が得られていると思いますので、排気の原臭気は非常に強烈な臭気であり、80％の脱臭しているにもかかわらず強いミント臭が残留していると考えます。
従って、湿式スクラバーを直列に増設することにより現在の排気口での臭気指数32を25まで削減することができ、敷地境界線上での臭気指数も10未満を達成可能となります。
お客様からは、脱臭効果を事前に確認できたことで安心して設備の増設に踏み切れるというお言葉をいただき、来期の予算に組み込んでいただきました。