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オゾンラボ

FILE
040

メッキ洗浄水のオゾン処理性能の復活

◆ 研究課題

オゾンラボFILE012で紹介したメッキ洗浄水のオゾン処理システムを導入していただいたお客様から、最近になって洗浄水を貯蔵しているタンク内のオゾン水濃度が低下しておりバクテリアも発生している状況であり、オゾン装置の増設を検討しているので協力してほしいという依頼がありました。

◆ 状況確認

オゾンシステムを導入していただいた後もオゾン処理の適正化と維持管理のための技術サポートをさせていただいていました。その内容としては、システム導入初期には殺菌力を強くするために貯蔵タンク内のオゾン水濃度を0.1ppmに設定し、その後は後工程への負荷を軽減するために殺菌に必要最小限の濃度として0.02~0.03ppmで維持管理していました。

つい先日までは上記の安定した状態を維持しており、貯蔵タンク内のバクテリアも発生していない状況でしたが、最近になりオゾン水濃度も0.01ppm未満でほとんど検出されない状況であり、バクテリアも発生しているという連絡を受けました。同時に、オゾン水処理システムから供給されるオゾン水濃度は以前と同等の2ppmを超える高濃度を示しているにもかかわらず、貯蔵タンク内のオゾン水濃度が極めて低い状況という報告を受けました。

上記のとおり、オゾンシステムは能力に余裕を持たせた設計であり増設の必要性はないと判断ししたため、まずは現地の状況を確認させていただきました。測定結果は下記のとおりです。

 

    システム導入初期 安定稼動期 問題発生時の状況
オゾン処理
システム
オゾンガス濃度 52g/m3 26g/m3 52g/m3
オゾンガス供給量 6L/min 4L/min 4L/min
オゾン水流量 60L/min 60L/min 20L/min
オゾン水濃度 3.6ppm 1.2ppm 2.1ppm
気液混合効率 70% 70% 20%
貯蔵
タンク
オゾン半減期 0.25h 0.25h 0.1h
タンク水量 20m3 20m3 20m3
タンク内濃度 0.1ppm 0.03ppm 0.008ppm

オゾンガス製造装置

貯蔵タンクへのオゾン水処理システム

◆ 研究成果

オゾン水処理システムの供給濃度は2ppmを超えており初期設定に近い高濃度になっていましたが、オゾン水量が低下しており、貯蔵タンクへのオゾン供給量が極めて少ない状況になっていました。加えて、水量低下に起因して気液混合効率と半減期が著しく低下していました。

オゾン水量低下の要因は供給ポンプの楊程能力と配管負荷の関係に安全率がない状況になっており、ポンプ性能の劣化と配管負荷が増加したことによるものと考えます。
また、供給ポンプと配管はオゾン処理システム導入時に既設の設備を流用する方向で組み込んだため、オゾン処理システムの稼動に伴い劣化した可能性も考えられます。

対策としまして、供給ポンプの能力アップが基本ではありますが、今回の場合は実験的にオゾン処理システム後の配管を少し改良することで流量を復活させられる結果を得ましたので、まずは配管の改良をお勧めし、将来的に流量が低下する場合には供給ポンプを交換してもらうことにしました。後日客先で正式に配管を改良した後も安定したオゾン水濃度が確保できており助かっているというお言葉をいただきました。