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オゾンラボ

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021

鋳造工程で発生する排気脱臭

◆ 研究課題

鋳造工程で発生する臭気を排気ダクトで回収し、屋外に設置した湿式脱臭設備で処理しているが、定期的に薬品投入が必要であることとその脱臭装置からの排水処理が必要となっているために困っており、薬品や排水処理が不要な脱臭方法はないか という相談を受けました。

◆ 研究ポイント(ちょっとした工夫)

薬品を使用することなく乾式脱臭装置が必要ということでしたので、オゾンガスによる分解脱臭の可能性を実験しました。オゾンによる分解脱臭が可能となれば、既設の排気ダクトにオゾンを供給するだけで脱臭システムが構成できるため、継続して使用するのは電気だけとなります。

実験A:まずはオゾンによる分解脱臭が可能かどうかを簡易的に評価しました。

・お客様から提供していただいた臭気サンプル(液体)を三角フラスコに保管
・フラスコ内で空気を曝気することにより強制的に臭気を再現
・臭気をにおい袋に回収してオゾンガスを供給
・所定時間経過後ににおい袋の臭いを嗅いで脱臭効果を評価

オゾンによる分解脱臭実験

実験B:次に実際の排気ダクトに近い形での脱臭実験により効果を確認しました。

・口径100mmの排気ダクトを3m設置し上記で再現した臭気を吸引
・排気ダクトの吸引側にオゾンガスを供給
・排気ダクトの排出側で臭いを嗅いで脱臭効果を評価

実際の排気ダクトに近い形での脱臭実験

結論:実験A(オゾン分解実験)

  Test A1 Test A2 Test A3
におい袋容積 3L
原臭気レベル 臭気強度 = 4(強いにおい)
袋内オゾン濃度 0.2ppm 0.4ppm 0.6ppm
投入10秒後 原臭弱い
オゾン臭非常に弱い
原臭非常に弱い
オゾン臭弱い
原臭ほぼなし
オゾン臭強い
投入1分後 原臭非常に弱い
オゾン臭ほぼなし
原臭ほぼなし
オゾン臭非常に弱い
原臭なし
オゾン臭強い
評価結果 低濃度のオゾン投入、かつ短時間での脱臭効果が期待できる

結論:実験B(疑似ダクト実験)

  Test B1 Test B2
ダクト直径 100mmφ
ダクト長さ 3.0m
ダクト内風速 0.5m/s 0.2m/s
ダクト内オゾン濃度 0.4ppm 4.0ppm
オゾン反応時間 6sec 15sec
原臭の臭気強度 2:弱いにおい 3.5:強いにおい
原臭の換算臭気濃度 10 200
排気の臭気強度 1:やっと感知 2:弱いにおい
排気の概算臭気濃度 5 20
脱臭効率 50% 90%
評価結果 ダクト内オゾン濃度4ppmかつ反応時間10~20秒で
良好な脱臭効果が期待できる

◆ 研究成果(お客様への貢献)

実験結果をお客様に報告させていただいた時、今回相談した脱臭装置は工場の一部を局所的に脱臭している装置に対する内容だったのだが、オゾンによる大きな脱臭効果が期待できるため、工場全体の排気脱臭設備の改良も追加で相談したいというお話をいただきました。